心不全の進行・治療方法
心不全の進行・治療方法
心不全は、多くの場合には時間をかけて徐々に進行していく慢性的な病気です。良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、心臓の機能が少しずつ低下していきます。

このステージは心不全や心疾患につながるリスクをもっているがまだ心臓関連のご病気を発症していない状態です。高血圧、脂質異常症、糖尿病、アテローム動脈硬化症、肥満、メタボリック症候群、睡眠時無呼吸症候群などがその代表です。
このステージは心臓に構造的な異常が現れているが、症状は出ていない段階です。虚血性心疾患や心肥大、弁膜症などがその代表です。
心臓の構造的異常に加えて症状が出ている、もしくは症状の既往がある状態です。
初期段階では、少し動いたときに息切れを感じる、足がむくみやすくなる、疲れやすくなるといった軽い症状から始まることが多いため、日常生活に大きな支障がみられないこともあります。
しかし、病状の進行に伴って、安静時にも息苦しさが出現するようになり、日常の動作もつらくなり、日常の生活にも大きな影響を及ぼすようになります。
さらに進行して急性に増悪すると突然に状態が悪化し、入院が必要になることもあります。
また、呼吸困難・意識障害・血圧低下などを伴う重篤な状態に陥った場合、命に関わる可能性があり、突然死する場合もあります。
治療によって改善した後も徐々に心不全の症状は悪化し、急性の増悪を繰り返します。
2021年の報告によると一度心不全で入院すると半数以上の患者様が4年以内に心不全により再度入院を要すると報告されています。急性の増悪を繰り返しながら体力が低下していきますので、この時期では多方面からの介入を行い心不全の再入院を防ぐことが大事となります。
あらゆる治療を行っても症状が十分に改善しない状態です。安静でも呼吸困難感などの症状が出現するようになり、入退院を繰り返すようになります。アメリカの報告ではこのステージになると5年生存率は20%と報告されています。病状の悪化が命や苦しい症状に直結しますのでより細やかな管理が求められます。
慢性心不全の治療は心不全のステージごとに異なります。各ステージで治療や生活上の目標が異なるため、段階ごとに正しく理解することが大切です。
このステップでは将来の心不全の原因となりうる高血圧、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病の管理を行います。
多職種で連携した生活指導
医師、看護師、管理栄養士など各職種に指導の強みがあります。それぞれの強みを生かして服薬を最小限にすることや将来の心疾患のリスクを低減することに直結する生活の指導を行います。
循環器疾患の早期発見と治療
器質的病気を早期に発見することで心不全に発展するリスクを低減できます。当院では心臓超音波検査や心臓CT検査などを用いて心疾患の早期発見に努めています。
心不全の多角的指導
当院には循環器専門医、心臓血管外科専門医、心不全療養指導士、心臓リハビリテーション指導士など循環器に特化したスタッフが多数在籍しております。知識や経験をもとに背景となる心疾患や心臓の機能に応じて心不全を予防するための指導を行います。また心不全悪化予防においては運動療法も重要です。当院では心臓リハビリテーションを通して運動を含めた指導を行っています。
積極的な訪問診療と緩和ケア
このステップでは心不全が悪化してコントロールが困難になり細かな診療を要する反面、体力の低下により通院が困難になっています。そこで訪問診療で当院の医師が定期的にうかがうことで心不全の安定を積極的にはかっています。同時に心不全による苦痛が生じている場合にはその緩和を図っていきます。
心不全は、患者様の生活習慣、症状、および他の健康状態を考慮に入れて、医師と医療スタッフとで協力しながら、心不全と上手く付き合っていけるよう再発防止の治療計画を立てていきます。
また、心不全は進行性の疾患であるため、定期的なフォローアップと治療計画の調整が必要です。
