肝臓がん
肝臓がん
肝臓がん(肝がん)は、肝臓にできるがんの総称です。男性の死因の第五位のがんです。
肝臓がんのうち、肝臓の主な細胞である肝細胞ががん化したものを肝細胞がんと呼び、肝臓の中を通る胆管ががん化したものは肝内胆管がん(胆管細胞がん)と呼ばれています。
5年生存率(2014-2015年)はⅠ期で56.1%、Ⅱ期で40.6%、Ⅲ期で14.2%、Ⅳ期で3.9%と報告されており、厳しいがんです。
原因
肝細胞がんの原因には、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの感染、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝炎などがあるとされています。
また、肝内胆管がんに関しては印刷工場で使用される化学物質ジクロロメタン、1,2-ジクロロプロパンへの高濃度曝露が問題になったことがありますが、ほかの原因についてはわかっていません。
症状
などの症状があらわれることがあります。
また、肝細胞がんが進行した場合は、腹部にしこりや圧迫感、痛みがあらわれることがあります。
ただ初期には無症状の患者様も多く、早期発見には検査が重要となります。
などがあります。
検査
慢性肝炎や肝硬変がある患者様は、3~6カ月ごとの定期的な超音波(エコー)検査や腫瘍マーカー検査を受けることが勧められています。
肝細胞がんが疑われる場合にはCT検査などの画像検査を行います。超音波検査や腫瘍マーカー・CT検査は当院で対応が可能です。
それでも診断が困難な時には組織を採取して詳しく調べる検査(生検)を行う必要がありますので連携の医療機関をご紹介させていただきます。
治療
肝細胞がんの治療には、病期に応じて手術、ラジオ波焼灼療法、肝動脈塞栓療法、薬物療法、放射線治療などを行います。
肝内胆管がんの治療法には手術が最も重要です。病期によっては薬物療法、放射線治療が選択されることもあります。
同時に、症状がある場合には緩和治療を行って症状の軽減を行います(近年では緩和治療=末期治療という考え方ではなくなっております)。
緩和治療は病気の進行の程度に限らず、症状がある場合には重要です。
病気が進行すると症状が悪化してくることが予想されますので病気の進行に伴って緩和治療はより重要となってきます。
予防
日本人を対象とした研究では、がん全般の予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、身体活動、適正な体形の維持、感染予防が有効であることが分かっています。
さらに、肝細胞がんの場合は、肝炎ウイルスの感染予防が重要で、B型肝炎ウイルスは、ワクチンで感染を予防することができます。また、肝炎ウイルス感染を早期に知るために検査を受けるのも重要です。
なお、 B型肝炎およびC型肝炎ウイルス感染が分かった場合には、肝細胞がんの予防として、肝炎が進行しないように、ウイルスの排除や増殖を抑える薬を用いた抗ウイルス療法を受けることが勧められており、対応可能な医療機関をご紹介させていただきます。
最後に
肝臓がんは早期発見が重要なご病気です。
人間ドックでCT検査や腹部エコー検査をご検討ください。気軽に当院のスタッフにご相談ください。