腸炎|いでハートクリニック【大阪府吹田市の循環器内科、内科】

住所〒565-0873大阪府吹田市藤白台5丁目7番65号RYOー千里藤白台ビル202号
TEL,06-6835-8885
ヘッダー画像

腸炎

腸炎|いでハートクリニック【大阪府吹田市の循環器内科、内科】

腸炎とは

 胃腸炎のほとんどはウイルス感染(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど)で、一部に細菌性(カンピロバクター、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌など)が見られます。

病原体が付着した料理を食べたり、手指についた微生物が口に触れたりすることで感染し、冬場、幼稚園や小学校などで集団発生することも少なくありません。

 

 症状

 症状は下痢、腹痛、嘔吐、発熱が典型的です。感染のタイプによっては粘血便といった粘度の高い血液の混じった便が出ることもあります。症状のタイプを「大腸型」と「小腸型」の2つに分けて考えることが一般的です。

 

 (1) 大腸型

 感染の部位は大腸または小腸の下部(腸の奥の方)であり、潜伏期は比較的長いです。

微生物やその毒素によって腸管粘膜が破壊されます。下痢は少量で頻回であり、粘血便を伴う場合もあります。頻繁に便意をもよおすが、排便は少なく、肛門部の急迫性の痛みを感じる場合もあります。発熱や腹痛も比較的強い傾向があります。大腸型の感染を生じる原因微生物は、カンピロバクター、サルモネラ、赤痢菌、腸管出血性大腸菌、C. difficileClostridioides difficile)、赤痢アメーバなどです。

 

 (2) 小腸型

 主な感染の部位は上部の小腸(腸の手前)であり、そのため潜伏期は大腸型に比較して短いです。

微生物やその毒素によって小腸からの分泌物が増加します。それによって大量で水のような下痢症状を来します。発熱や腹痛は比較的軽度のことが多いとされます。小腸型の感染を生じる微生物としては嘔吐症状が強く出やすいものとしてはノロウイルスやロタウイルス、黄色ブドウ球菌、セレウス菌などがあります。下痢症状が強く出やすいものとしてはコレラ菌、腸管毒素原性大腸菌、ウェルシュ菌、腸炎ビブリオ、セレウス菌などがあります。

 

 検査・治療

 検査としては血液検査を行って細菌感染の関与の兆候を見たり、大腸型に見られやすい便の中の白血球を調べる場合があります。大腸型の胃腸炎の他、重症感の強いものや旅行歴があるものでは便の培養を行うことで原因となる微生物の特定を行うことで治療しながらその原因の微生物に照準を合わせた治療に移行することができます。

 治療に関しては脱水の予防や点滴による補正が最重要です。

 

 下痢や嘔吐は消化管内の微生物を除去しようとする体の生理的反応ですのでできるだけ下痢止めや吐き気止めの使用は避けるほうがいいとされています。吐き気止めについては症状が強くて生活の維持が困難な場合には患者様にメリットとデメリットを理解いただいたうえで相談しながら慎重に使用する場合があります。下痢止めは感染性腸炎に対しては原則的には使用しない方針としています。

 感染性腸炎に対しては原則的には抗生剤は不要とされていますが、大腸型の一部のものに関しては抗生剤の使用が必要です。症状や生活環境(食べた食事)などを丁寧に問診し、血液検査の数値も参考にしながら必要であれば便の白血球検査や培養検査、血液の培養検査を行ったうえで抗生剤を使用します。

 通常は2週間程度で軽快に向かいます。それ以上持続する場合には感染以外の原因の可能性についても考慮する必要があります。

 予防としては料理や食事の前に手洗いを徹底することや食事を低温で保存しできるだけ早く食べること。適切に加熱処理を行うことが重要です。

PageTop