「肥満」と「肥満症」はどう違う? CTでわかる内臓脂肪の話
- 2026年10月1日
- 健康診断・人間ドック,生活習慣病,その他
「最近、体重が増えてきた」「健康診断でBMIが25を超えていた」――そんなときに気になるのが「肥満」です。
まず知っておきたいのは、「肥満」と「肥満症」は同じものではないということです。
BMI(体格指数)は、体重(kg)を身長(m)の2乗で割って算出します。日本では一般にBMI 25以上を「肥満」としています。ただし、BMIが25以上であっても、健康上の問題が何もない場合は、(単純性)肥満と呼ばれます。この場合、必ずしも治療が必要というわけではありません。
一方で、減量治療が必要な肥満を「肥満症」と言い、具体的にはBMIが25以上で、肥満による11種の健康障害(合併症)が1つ以上あるか、健康障害を起こしやすい内臓脂肪蓄積がある場合に診断され、減量による医学的治療の対象になります。
11種の健康障害とは以下のものです。
- 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
- 脂質異常症
- 高血圧
- 高尿酸血症・痛風
- 冠動脈疾患
- 脳梗塞・一過性脳虚血性発作
- 非アルコール性脂肪性肝疾患
- 月経異常・女性不妊
- 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
- 運動器疾患(変形性関節症:膝関節・股関節・手指関節、変形性脊椎症)
- 肥満関連腎臓病
肥満症では、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病など、肥満と関連するさまざまな健康障害を伴うことがあります。そのため、単に体重の数字だけを見るのではなく、健康への影響を含めて評価することが大切です。
CTスキャンでわかる「脂肪のつき方」
肥満を考えるうえでもう一つ重要なのが、脂肪が体のどこについているかという点です。
特に注意したいのが「内臓脂肪」です。内臓脂肪は、胃や腸などの周囲に蓄積する脂肪で、増えすぎると生活習慣病との関連が深くなることが知られています。
体重やBMIだけでは、脂肪が内臓の周囲に多くついているのか、皮下脂肪としてついているのかまではわかりません。
そこで役立つのがCTスキャンによる内臓脂肪の評価です。CT検査では、腹部を輪切りにした画像から内臓脂肪と皮下脂肪の状態を確認することができます。
当クリニックの人間ドックでは、肺やお腹に異常がないかを調べるCT検査に、内臓脂肪の評価が含まれています。普段の健康診断ではわかりにくい「脂肪のつき方」を画像で確認できるため、自分の体の状態を知る一つのきっかけになります。

赤:内臓脂肪 青:皮下脂肪
人間ドック|いでハートクリニック【大阪府吹田市の循環器内科、内科】
大切なのは「体重」だけではありません
肥満について考えるとき、「何kg減らすか」だけに目を向ける必要はありません。BMI、血圧や血糖、脂質などの健康状態、そして内臓脂肪の蓄積などを総合的に評価することが大切です。
人間ドックや健康診断の結果で「肥満」と指摘された方は、体重の数字だけで一喜一憂せず、自分に健康障害があるのか、内臓脂肪がどの程度・どの部位に蓄積しているのかという視点から、自分の体を見直してみてはいかがでしょうか。

心不全専門サイト
