心不全とは?原因・症状・治療まで解説

住所〒565-0873大阪府吹田市藤白台5丁目7番65号RYOー千里藤白台ビル202号
TEL,06-6835-8885
ヘッダー画像

心不全

心不全とは?原因・症状・治療まで解説

心不全とは

人間の体は良くできており、心臓の機能に障害があってもある程度まではバランスをとってくれて無症状で過ごすことが可能です。しかし、病気が進行するとバランスが取れなくなり様々な症状が出現するようになります。これを心不全と呼んでいます。最初は軽い息切れなどの症状から始まりますが、進行すると命に関わることもあります。この心不全にはさまざまな原因がありますが、中でも特に重要なのが高血圧、虚血性心疾患(心筋梗塞)心臓弁膜症です。

心不全の原因|高血圧や心筋梗塞との関係

虚血性心疾患(心筋梗塞)と心不全の関係

心筋梗塞は、心臓の血管(冠動脈)が詰まり、心筋に酸素が届かなくなり心臓の一部が壊死する病気です。

  • 心筋の一部が壊死すると、その部分は再生せず、心臓のポンプとしての機能が低下します。

  • 特に広範囲の心筋梗塞を起こした後は、心臓がバランスを維持するのが困難になり、慢性的な心不全に移行しやすいため、早期の治療と再発予防が重要です。

心筋梗塞の診断と治療はこちら

 

高血圧と心不全の関係

高血圧は、長年にわたって心臓に負担をかけ続ける病気です。

  • 血圧が高い状態が続くと、心臓は血圧に押し負けないように血液を拍出する必要があり、通常よりも負荷がかかります。

  • この状態が続くと、心臓の筋肉(特に左心室)が厚くなり、高血圧性心筋症という状態になり、拡張型心不全左心不全を引き起こす原因になります。

  • 高血圧は自覚症状が少なく、放置されやすいため、知らないうちに心臓の機能が低下を招く場合があります。

高血圧の詳しい解説はこちら

 

心臓弁膜症と心不全の関係

心臓弁膜症は、心臓の中にある弁が正常に開閉できなくなる病気です。

  • 弁がうまく閉じなかったり(閉鎖不全)、開きにくくなったり(狭窄)すると、心臓の血液の流れに負担がかかります。

  • 逆流や狭窄が続くことで心臓に余分な負荷がかかり、心臓の筋肉が疲弊してポンプ機能が低下します。

  • 特に中等度〜重度の弁膜症を放置した場合は、心臓の拡大や心筋の機能低下を招き、拡張型または収縮型の心不全に移行することがあります。

  • 早期の発見と定期的な心エコーによる評価、適切な薬物治療や手術のタイミングを見極めることが、心不全への進行を防ぐ鍵となります。

心臓弁膜症の診断と治療はこちら

 

■ その他の心不全の原因

上記以外にも、以下のような病気が心不全の原因になります:

  • 心筋症(拡張型・肥大型など)

  • 不整脈心房細動など)

  • ウイルス感染(心筋炎)

  • 先天性心疾患

  • 貧血や甲状腺機能異常などの全身性疾患

心不全の症状

心不全は、初期の段階では「年のせいかな」「疲れかな」と見過ごされがちな症状が多くあります。

しかし、早めに気づいて適切な対応をとることで、進行を防ぎ、生活の質(QOL)を保つことができます。

以下のチェックリストは、心不全の可能性がある症状をまとめたものです。当てはまる場合は、循環器専門医の受診をおすすめします。

症状 チェック
階段や坂道で以前より息切れがする
横になると息苦しくなる(起坐呼吸)
夜間に咳き込んだり、息苦しさで目が覚めることがある
足やすねのむくみが続いている
靴やズボンがきつく感じるようになった
急に体重が増えた(1週間で2~3kg以上)
疲れやすくなった、動作がゆっくりになった
食欲が落ちてきた、胃が張る感じがある
動悸を感じることが多くなった
胸に圧迫感・違和感を感じる

心不全になると、心臓から十分な血液を送り出せなくなり、必要な酸素や栄養を十分に届けることができません。そのため坂道や階段で息切れがしたり疲れやすくなります。
そういう状態では活気も出にくくなり、食欲が低下する場合もあります。

また、腎臓にながれる血液が少なくなることで尿量が減り、体に水分が貯留します。そうすると足の甲やふくらはぎがむくんだり(浮腫)、体重が1週間で2~3㎏増加します。

体の中で血液が滞るうっ血が進行すると腹部膨満や、横になると息苦しくて起きてしまい座ると呼吸が楽になる起坐呼吸が出現します。

特に息切れや足のむくみは心不全の患者様に多い初期症状であるため、これらの症状が出現したときには一度検査することをお勧めします。

心不全の検査方法

 当院では心不全の検査として血液検査、胸部レントゲン検査、心電図検査、心臓超音波(エコー)検査、心臓CTがあり、患者様に必要な検査をさせていただきます。

〜各検査〜

  • ○血液検査
    NT-ProBNPというホルモンの値を測定します。心臓に負担がかかると血液中の濃度が上昇します。自覚症状の出現する前から上昇するため早期発見に有効です。

  • ○胸部レントゲン
    心臓の大きさやうっ血・胸水の有無を確認できます。
  • ○心電図検査
    胸部にパッチを張り、心臓の電気信号を確認します。心筋梗塞や不整脈の有無を確認します。
  • ○心臓超音波検査
    胸部に超音波を当てて心臓の動きや心臓肥大や心筋梗塞・弁膜症の有無、下大静脈の張りからうっ血具合を確認します。
  • ○心臓CT
    心不全の原因として多い虚血性心筋症の診断に用います。虚血性心筋症は冠動脈の狭窄や閉塞によって起こります。この冠動脈の評価に有用な検査です。

心不全の治療

 心不全には急に発症する急性心不全と、徐々に発症する慢性心不全があり急性か慢性かによって治療方法が異なります。

 

急性心不全

 急性心不全に対しては心筋梗塞や弁膜症などが原因で発症することがあり、胸痛や激しい呼吸苦など様々な症状が急激に現れます。前兆がほとんどなく突如発症するのが特徴です。
心臓から送り出される血液や少なく血圧が維持できなくなりショック状態になることもあります。酸素や強心薬での治療が必要な場合も多く、病院での治療を要することが多い病態です。

 

慢性心不全

 慢性心不全は徐々に進行する病態です。一定の水準までは体がバランスをとってくれる(代償機構)ため無症状で経過します。そのため症状が出現したときにはバランスがとれなくなり、重症化した状態で発見されることが多いです。

 また。慢性心不全が重症化すると、一旦改善しても何度も増悪を繰り返すようになります。慢性心不全に対しては、薬物療法・食事や生活習慣の指導・運動療法が重要です。ただ実際にはこのすべてに対応できる施設は多くはありません。

 当院では心不全に必要な治療を包括的に提供し、心不全の悪化予防に努めております。

当院の心不全診療の特徴

いでハートクリニック(大阪府吹田市)は、心不全の早期発見から再発予防までを包括的にサポートする循環器専門クリニックです。専門医による診療と充実した検査体制、個別最適化された心臓リハビリテーションを通じて、患者様の生活の質(QOL)向上を目指しています。

 

①循環器専門医、循環器資格を有するコメディカルを含めたチーム医療体制

院長の井手亨は、日本循環器学会認定の循環器専門医であり、心臓血管外科専門医認定機構の心臓血管外科修練指導者でもあります。大阪大学医学部附属病院の心臓血管外科での豊富な臨床経験を活かし、心不全患者様の診療にあたっています。また、心臓リハビリテーション指導士や心不全療養指導士など、専門知識を持つスタッフがチームでサポートします。

 

②大病院レベルの検査環境

当院では、心不全の原因や重症度を正確に評価するため、以下の検査機器を導入しています:

  • 心臓超音波検査(心エコー):心臓の構造や機能をリアルタイムで評価

  • 心電図検査:不整脈や心筋梗塞の有無を確認

  • 胸部レントゲン検査:心臓の大きさや肺の状態を確認

  • 心臓CT検査:冠動脈の狭窄や閉塞を評価

  • 血液検査(NT-proBNP):心不全の早期発見や病状の判断に有用 

これらの検査により、心不全の早期診断と適切な治療方針の決定が可能となります。

③個別最適化された心臓リハビリテーション

心不全の治療には、薬物療法だけでなく、運動療法や食事療法が重要です。当院では、心肺運動負荷試験(CPX)の結果に基づき、患者様一人ひとりに合わせたリハビリプログラムを作成しています。心臓リハビリテーション指導士や心不全療養指導士が、運動療法や生活指導を行い、再発予防と生活の質(QOL)の向上をサポートします。

④通院が困難な方への訪問診療

高齢や病状により通院が難しい患者様には、医師が定期的にご自宅を訪問し、通院と同等の診療を提供します。これにより、心不全の悪化を早期に発見し、適切な対応が可能となります。

 

⑤土日祝も診療対応

平日に通院が難しい方のために、当院では土日祝日も診療を行っています。これにより、患者様のライフスタイルに合わせた通院が可能です。

心不全との付き合い方

 心不全は良くなったり悪くなったりを繰り返しながら進行する病気であり、上手に付き合っていく必要があります。

そのためにも

  1. 内服を継続する
    処方されたお薬をきちんと内服すること
  2. 食生活に気を付ける
    特に塩分制限が重要で6g/日を目標に塩分を取りすぎないこと
  3. 自己管理を行う
    体重増加していないか、血圧・脈拍に異常がないか、むくみや息切れの症状がでていないかを毎日確認すること

これらが大切です。

 特に自己管理について、ご自身の体調を毎日確認し心不全症状がみられた場合にははやめに受診していただくことが大切です。
早期介入が心不全の悪化を防止し、急性心不全による入院を予防するといわれています。

 当院では心不全ノートなどを活用し自己管理が出来るようにお手伝いをさせていただきますのでお気軽にご相談ください。

PageTop
チャットボット