かぜ
かぜ
正式にはかぜ症候群と呼ばれ、医学的には感冒とも表現されます。
あらゆる年齢層に発症し、健常の人の大半が罹患する最も身近な病気の一つだと思います。
病原体がくしゃみなどで飛散する飛沫などを介して気道内に入り、環境要因や患者様の要因によって感染が成立するとされています。
原因
原因は ほとんどはウイルス感染とされており、かぜもしくは感冒の訴えで10%程度に一般細菌,マイコプラズマ,クラミジアが原因としてみつかることがあるとされます。
※原因とされるウイルス
・約30 〜 40% …… ライノウイルス
・約10% …… コロナウイルス
・その他 …… RSウイルス, インフルエンザウイルス, パラインフルエンザウイルス, アデノウイルス
症状
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰などが組み合わせで出現します。
発熱はあっても微熱程度のことが一般的ですが、原因によっては高熱を来す場合もあります。
頭痛や全身倦怠感などの全身症状も比較的軽いという特徴があります。
しかし、一方でご高齢の患者様では感冒の訴えで大きなご病気が隠れていることもあり注意が必要ですし、心臓や肺などの病気をお持ちの患者様では持病が悪化する可能性にも注意する必要があります。
検査・治療
ウイルス検査法や抗原検査で原因を特定することができますが、すべての検査が保険収載されているわけではなく、実際の臨床現場では成人に対するウイルス検査としてはインフルエンザやコロナウイルス以外は病歴や身体所見から診断を下すことが多いと思います。
治療に関してはウイルス感染に対する特効薬のような特別な治療は原則的にはありません(インフルエンザやコロナウイルスは例外的)。自分の免疫でウイルス感染の治療を行う間、強い症状に対して対症療法といって症状を軽減する治療を行います。
特に高齢の患者様においては感冒やかぜの訴えで細菌感染が隠れていることもありますので丁寧に問診を行い、必要に応じて細菌感染の有無を確認するために血液検査や画像検査を行う場合があります。
結果として細菌感染の関与がある患者様には抗生剤を使用します。
当院では感冒症状や発熱症状の患者様専用の個室を用意しており、他の患者様の目を気にすることなく受診していただくことが可能です。
血液検査(当日に結果説明)や画像検査機器も院内配備していますので、必要に応じて患者様と相談しながら対応させていただきます。
経過としては7~10日間で軽快していくとされています。
抗生物質はウイルス感染症には効果がないばかりか副作用や耐性菌の出現が懸念され、不必要な使用が近年の問題となっております。
当院では適切な検査・診断を行い、治療についてよく相談していくことでできるだけ不要な抗生剤の使用を減らしていきたいと考えています。
一方で、感染が気道の奥に波及し、気管支炎や肺炎を合併する場合もありますので注意が必要です。
受診された時には細菌感染の合併はなかったのに経過中に細菌感染を合併する場合もあります。
丁寧に経過を見ながら症状が良くなって来ない場合や増悪するような場合には状態を再評価して必要な治療を再検討する必要があります。
そういった兆候を早期に発見するためにもしっかりと回復されるまで丁寧に経過を見させていただきたいと思っています。
来院が困難な患者様にはオンライン診療などを併施して負担を軽減していくことも可能ですので気軽にご相談ください。