新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルス感染症
コロナウイルスは自分自身で増えることはできませんが、粘膜などの細胞に付着して入り込んで増えることができます。
感染者の口や鼻から、咳、くしゃみ、会話等のときに出される、ウイルスを含む飛沫又はエアロゾルと呼ばれる更に小さな水分を含んだ状態の粒子を吸うか、感染者の目や鼻、口に直接的に接触することにより、ウイルスが粘膜に入り込むと感染が成立します。
株によって異なりますが、オミクロン株に関しては感染してから症状が出るまで(潜伏期間)は2-4日と報告されています。
オミクロン株の感染者では発熱、鼻水、頭痛、喉の痛み、くしゃみ、咳、声のかすれといった症状の頻度が高いと報告されており、嗅覚異常という新型コロナウイルスに特徴的とされていた症状はオミクロン株では少なかったと報告されています。
当院ではコロナウイルスの疑いのある患者様には抗原検査を実施します。抗原検査とはスワブという細長い綿棒で鼻の粘膜を採取し、15分で結果がでます。 発熱やのどの痛みなどの症状が出現してから2日以降がウイルスが多いとされているため当日では偽陰性になることもあります。 当院ではコロナウイルス単体の検査も可能ですが、コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時検査が可能でありそちらをお勧めさせていただいています。
ご高齢であったり持病をお持ちで重症化するリスクが高いとされる患者様に対しては治療薬の使用が推奨されています。それ以外の患者様に関しては、原則は症状を軽減しながら自身の体がウイルスを駆除してくれるのを待つ対症療法が原則的な治療となります。
新型コロナウイルスは、発症の2日前から発症後10日間程度まで他の人に感染させる可能性があるとされています。特に、発症の直前・直後でウイルス排出量が多くなるとされています。無症状の患者様(症状はないが検査が陽性)からも、感染する可能性があります。オミクロン株の研究結果では発症後5日目からウイルス量が減少し、感染リスクが低減することがわかっています。そういったことから発症後5日間は外出を控えることが推奨されています。また、低減するとは言っても10日まではウイルス排出の可能性がありますので、マスクを着用したり高齢の方に会うことを控えるなどの配慮が求められています。
ウイルスは粘膜に入り込むことはできますが、健康な皮膚には入り込むことができず表面に付着するだけと言われています。物の表面についたウイルスは時間がたてば壊れますが、1-3日は感染する力をもつと言われています。石けんを使った手洗いはコロナウイルスを破壊し、洗い流すことができるので感染予防の上で有効です。手指消毒用アルコールも同様に脂肪の膜を壊すことによって感染力を失わせることができます。