睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりして体の低酸素状態が発生する病気です。睡眠時無呼吸症候群には主に3つのタイプがあります。
口や鼻から肺の入り口である声帯に至る空気の通り道(気道)が細くなるために発生する睡眠時無呼吸症候群
呼吸を調整する脳の働きが低下するために発生する睡眠時無呼吸症候群
閉塞型と中枢型の両方が関係する睡眠時無呼吸症候群
閉塞性睡眠時無呼吸症候群で気道が細くなる原因としては、
・肥満(脂肪によって中の空間が狭くなる)
・顎が小さい
・扁桃が大きい
・鼻や喉の病気
・アレルギー(鼻炎、蓄のう症、花粉症、鼻中隔湾曲)
などがあります。
中枢性睡眠時無呼吸の原因のひとつは、心不全と言われており心不全患者様の約3割に中枢性睡眠時無呼吸があるとの報告があります。
また、脳卒中になって脳に後遺症がある方や腎不全のある方に中枢性睡眠時無呼吸が起こるケースもあります。
睡眠時無呼吸症候群の症状としては、
・いびき
・寝ているときに呼吸が止まっている(無呼吸)
・夜中に目が覚める(中途覚醒)
・日中の眠気や日中の疲労感・倦怠感
があります。
また、睡眠時無呼吸症候群は酸素の値が低くなることなどが影響して高血圧、糖尿病、心不全、脳卒中、心筋梗塞、うつ病などさまざまな病気のリスクを上げることが知られています。それに加えて心臓由来の突然死との関連も報告されています。
まずは丁寧に問診を行い、症状を確認します。
次に自宅でできる簡易検査を行います。
当院から業者に依頼をさせていただき、業者から患者様に日程相談の上検査キットが届きます
パルスオキシメーターを手に装着して、眠っている間の酸素飽和度と脈拍を測定します。説明書通りに検査を行い、検査が終わりましたら検査キットを返送していただきます。
このパルスオキシメーターの検査で、呼吸が10秒間以上止まる無呼吸や、酸素飽和度が平常時よりも3~4%以上低下する低呼吸が1時間あたり5回以上ある場合、睡眠時無呼吸があると診断されます。
また、簡易検査で重症度が高い場合にはCPAP治療が必要と判断されます。
睡眠時無呼吸症候群と診断された方は必要に応じて精密検査を行う場合があります。簡易検査と同様に当院から業者に連絡を行い、業者・患者様間で日程調整の上、検査キットが自宅に届きます。説明書通りに検査をしていただいたら検査キットを返送していただきます。
CPAP(シーパップ)での治療を行います。マスクなどを介して空気を押し込むことで酸素を確保します。
CPAP療法を行った患者様は、無呼吸・低呼吸・いびきの消失、低酸素状態の改善、睡眠の質の向上や日中の眠気が解消するとされています。
またCPAP治療を行うことで心臓や脳の合併症の予防・改善や寿命の改善、交通事故リスクの軽減などが報告されています。
ただ、装着開始直後には不快感が強い患者様もいらっしゃいますのでその場合には短い時間から慣らしていくなどお一人お一人の状況に合わせて相談しながら進めていくことが重要です。
そういったこともふまえまして原則的には月に1回の受診をお願いしております。