注意が必要なむくみの症状
- 2024年7月29日
- 症状・病気
むくみの症状はクリニックに来院される頻度の高い症状の一つです。今回は注意が必要なむくみのサインについてお話をさせて頂きます。
むくみの出ている部位
両足にむくみが出ている場合と片足のみにむくみが出ている場合で考える病気は少し異なります。両足にむくみが出ている場合には、全身性のご病気(例えば心不全、腎不全、肝不全やホルモンのご病気など)を考えます。一方で片足のみの症状の場合には静脈の異常(静脈瘤、血栓症など)や皮膚の感染症(蜂窩織炎)を考えます。
両足にむくみが出ている場合には重篤な臓器の異常の可能性があり、早期の受診をお勧めします。また片足でも突然に症状が出現した場合
には血栓症など重篤なご病気の可能性があり、早急な受診が必要です。
妊娠している女性が手と顔にもむくみを伴っている場合には妊娠高血圧性腎症の可能性もあり、危険な状態になる場合がありますので早急な精査をご検討いただく必要があります。
患者様の背
妊娠している女性の場合には妊娠高血圧腎症の場合もあり、注意が必要です。また、もともと心臓や腎臓、肝臓のご病気をお持ちの場合には
そのご病気が悪化している場合もあります。
受診をしていただき、もともとのご病気が悪化していないか調べていただく必要があります。
手術後やギプス固定の解除後などの場合には足に血栓が生じてむくんでいる(深部静脈血栓症)の可能性があります。場合によっては肺に飛んで肺塞栓という命にかかわる病気につながる可能性もあり早急な精査が必要です。
むくみが出現した期間
突然に出現したむくみは急性心不全、急性腎不全、急性肝不全や深部静脈血栓症など重篤なご病気の可能性があり早期の受診を検討する必要があります。
むくみに伴う症状
むくみに激しい痛みや圧痛を伴う場合には深部静脈血栓症の可能性があります。また息切れや動悸を伴う場合には心不全の可能性がありますので早急な受診をご検討ください。
むくみの検査
両足のむくみがみられる場合には臓器機能を確認するために血液検査を行います。心臓の機能を確認するために胸部レントゲン検査や心臓超音波検査を行う場合もあります。また腎臓の機能を確認するために尿検査を行う場合もあります。片方の足のみにむくみが生じている場合には静脈のご病気を否定するために下肢の超音波検査を行ったり、血液検査で血栓の数値(Dダイマー)の検査を行う場合もあります。
むくみの予防方法
(1) 体位
長時間同じ姿勢でいると、むくみやすくなると考えられます。特に立ち仕事では重力によって足に水分がたまり、むくみが悪化しやすくなります。そのため、こまめに体を動かして血液の流れをよくしたり、足を上げる時間を作ったりすることが大事です。
(2)衣服
きつめの服や靴で血管が狭まり、血液の循環が悪くなってむくみやすくなる場合もあります。自分のサイズにあった服や靴を選ぶようにしましょう。
(3)食事
塩分を摂りすぎると、むくみやすくなります。減塩を心がけましょう。
食事制限をして無理なダイエットをしていると、体内の栄養分が低下してむくみやすくなる場合があります。バランスよい食事を心がけましょう。
(4)生活習慣
睡眠不足や睡眠前の飲酒、運動不足、ストレスなども、むくみの原因となります。規則正しい生活や、過度な飲酒を控えることが大事です。運動で筋力を維持し、ストレスを発散することも大事です。