博士号所得|いでハートクリニック【大阪府吹田市の循環器内科、内科】

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医療コラム

博士号所得|いでハートクリニック【大阪府吹田市の循環器内科、内科】

博士号所得

大阪大学での研究実績に関する審査が通り博士号をいただくことができました。

ここでは私が考える臨床医としての博士号の意味合いについてお話しさせていただきます。

 

博士号はどうやってとるの?

医学部など一部の学科を除いた学科では基本的に4年制となっており、そのあと2-4年間大学院に通うと修士号が、さらに3-6年間大学院に通うと博士号の所得が可能となります。実際には在籍期間だけではなく、この在籍期間で研究を行い、研究成果が審査されて審査が通れば修士号や博士号を所得できます。

医学部ではそもそも大学が6年制ですので卒業と同時に修士号相当として扱われます。その後、博士号の所得する場合には大学院に入学します。基本的には医師になると初期研修を2年間、後期研修を3年間修了する必要がありますので、大学院に入学するタイミングはそれ以降が一般的です。大学院に入学すると各自研究のテーマを考えて、研究を行い、論文にまとめ、その実績が審査されて博士号の所得に至ります。

 

医学にはまだ明確になっていないことが多くあります。それらは各自の経験に基づき治療されていることもあります。そういった臨床での疑問などを研究テーマとして研究し、科学的な答えを導くような場合もあります。

 

私の研究内容

私は腹部大動脈瘤に対するステントグラフト手術に関する研究を行いました。

腹部大動脈瘤という病気は従来開腹を行って、人工血管に取り換える手術が行われてきました。ただ体への負担の大きさからステントグラフト手術が行われるようになり、開腹せずに少ないご負担で手術を行うことが可能になりました。ただステントグラフト手術が保険償還されて10年以上が経過し、ステントグラフト手術の問題点も明らかになってきました。数年が経過するとエンドリークと呼ばれる問題により瘤が再度大きくなる症例がみられるようになったことです。このエンドリークの発生を低減するために機器の改良や手術方法の改良がおこなわれてきました。私は「下腸間膜動脈」や「腰動脈」などの腹部大動脈から出てくる血管に着目してこれらの血管がステントグラフト後のエンドリークや動脈瘤の拡大にかかわってくることを研究しました。

この研究の結果もあり、「下腸間膜動脈」や「腰動脈」を事前に詰めてステントグラフト手術をおこなうようになりました。

このように研究の結果施設の治療方針が確立されるような場合もあり、多くの医師を通じて自分の研究内容が患者様に治療として反映されるようになります。それが研究の面白さの一つです。

 

博士号の意味合い

何よりも研究を行うことで、普段の臨床を行う上での視野が広がったように思います。今行われている医療を科学的に考えて、そこに患者様のご要望やお困りごとも勘案しながら検査や治療プランを提案していくことが大事であると考えています。研究の視点は医療を科学的に考えていくうえで極めて重要であると思っています。医師が科学的思考を持っているかどうかの一つのわかりやすい指標が博士号ではないかと思います。

科学的視点を忘れずに患者様により良い医療を提案していきたいと考えています。

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