糖尿病と合併症|いでハートクリニック【大阪府吹田市の循環器内科、内科】

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医療コラム

糖尿病と合併症|いでハートクリニック【大阪府吹田市の循環器内科、内科】

糖尿病と合併症

網膜症

病態

糖尿病により網膜の障害をきたします。基本的にほとんどのものは無症状ですが、視力の障害が少しずつ進んだり、突然に進む場合があります。

早期の兆候としては網膜に微小な出血や微小な動脈瘤が出現します。進行すると、網膜に新しいもろい血管が出現し、出血したり網膜剥離を起こして視力が失われます。また、網膜の中心部がむくんだり変性を生じて視力の低下をきたす場合もあります。

 

網膜症を起こしやすい因子

糖尿病性網膜症による失明は20-74歳の失明の原因で最多となっております。下記の因子を持っている場合には特に注意が必要です。

・糖尿病に長期間かかっている

・HbA1cが高値

・高血圧や脂質異常症を合併

・妊娠

・腎症を合併

・肥満

・喫煙

・中等度以上の飲酒

・活動性が低下している

 

網膜症の検査

眼科医による眼底検査で診断を行います。糖尿病患者様では少なくとも年に1回の眼科での検査が推奨されています。

 

網膜症の治療

良好に血糖値を管理し、HbA1cの数値を下げていくことで網膜症のリスクや網膜症が悪化するリスクを下げることができます。

良好に血圧を管理することでさらに網膜症のリスクを低減することができます。また、網膜症が進行している場合には眼科でレーザーでの光凝固を行う場合もあります。

 

神経障害

主には遠位性対称性多発神経障害と自律神経障害に分けられます。

遠位性対称性多発神経障害の病態

糖尿病では様々なパターンの神経障害を合併しますが、最も多いのは左右ともに手や足の神経の障害をきたすパターンです。両手や両足の感覚が鈍くなったり、焼けつくような痛みの症状が出る場合もあります。

1型糖尿病では少なくとも20%以上の患者様に、2型糖尿病では10-15%の患者様にみられるといわれています。糖尿病の前段階(前糖尿病)でも10-30%にみられるといわれています。

こういった神経障害を合併している糖尿病患者様では足のけがや傷に鈍感になり、重症化して見つかることも少なくありません。足の傷や壊疽をきたすリスクが生涯で15-25%、足の切断に至るケースが生涯で15%とも言われており注意が必要です。

 

自律神経障害の病態

自律神経は顔・心臓・消化管・膀胱などさまざまな臓器に分布していますので自律神経が障害を受けるとさまざまな臓器に影響があります。

 

原因は明らかになっていませんが、食後に顔に汗を多くかいたり、顔面の熱っぽさが出現する場合があります。

 

心臓

脈拍が不安定になったり、血圧が姿勢の変化で変動しやすくなります(起立性低血圧)。

 

消化管

便の性状の調節がうまくいかなくなり下痢になったり便秘になったりしやすくなります。特に便秘に関しては糖尿病患者様の20%に合併すると言われています。また、直腸や肛門の機能が低下し、便の失禁をきたすケースもあります。

 

膀胱

膀胱が拡張するときの感覚が障害されてわからなくなったり、膀胱にため込むための筋肉の機能が低下し、尿失禁を起こしやすくなります。

 

神経障害が重症化しやすい因子

・糖尿病に長期間かかっている

・血糖値の管理が不十分

・高血圧・肥満・脂質異常症などを合併

・喫煙

 

神経障害の検査

基本的には診察で症状や痛みの感覚などの確認を行います。似ている症状をきたしうる他のご病気を否定することも重要であり、MRIなどを撮影して頚髄症や脊柱管狭窄症などがないか確認を行います。

 

神経障害の治療

糖尿病を厳格に管理することで症状を改善したり進行を予防することができます。他には以下のような治療を行います

神経性の痛み

神経障害用の鎮痛薬を使用します。

起立性低血圧

ゆっくり起き上がるなどの生活の工夫を行い、それでも残る場合にはお薬での治療を行います。

便秘

食物繊維を増やした食事を心がけ、必要に応じて便秘薬を使用します。

尿失禁

お薬で治療をしたり、定期的に自己での導尿を行う場合もあります。

 

 

糖尿病性腎症

糖尿病の患者様の20-40%に腎症を合併します。当初は無症状ですが、進行すると腎不全をきたし、透析が必要になります。日本国内の透析になる腎不全の一番の原因は糖尿病性腎症です。腎症を合併すると、20年で20%の患者様が透析が必要になるような末期腎不全に至ると言われており、注意が必要です。

 

腎症を合併しやすい因子

・血糖の管理が不良

・高血圧

・糖尿病に長期間かかっている

・男性

 

腎症の検査

早期の発見には尿検査が有用です。年に1回程度微量アルブミン尿の検査を行うことが推奨されています。また尿検査で尿アルブミン/クレアチニン比を検査することで早期発見を行います。また定期的にクレアチニンの検査項目を確認する必要があります。

 

腎症の治療

基本的には厳格に血糖値を管理することが最重要です。血糖をしっかり管理することで腎症を合併するリスクを20%程度下げることができると言われています。また血圧についてもより厳格に管理していくことが大事です。SGLT-2阻害薬というお薬が腎症の進行の抑制に効果的とする報告がみられるようになってきています。

 

糖尿病性足病変

 

糖尿病性足病変の病態

特に神経の障害を合併している糖尿病患者様では小さなけがや傷に気づきにくく、進行して発見されることがあります。糖尿病患者様の20%程度が生涯で足に病変を合併すると言われています。糖尿病の患者様では足の血流が低下している場合も多く、足を治癒する物質が十分に届きにくくなり、治癒が遅れやすく傷が治りにくかったり重症化しやすい場合があります。

 

糖尿病性足病変を合併しやすい因子

・過去に足に傷ができたり切断している

・神経障害を合併している

・足の変形がある

・足の血管が細くなっている

・視覚の障害がある

・糖尿病性腎症を合併

・血糖管理が不良

・喫煙

・足にタコやウオノメができている

 

糖尿病性足病変の検査

特に神経障害を合併している患者様では診察のたびに足のチェックを行うことが大事です。また定期的にABIという検査を行って足の血流の低下がないか確認を行います。

 

糖尿病性足病変の治療

糖尿病を厳格に管理することが第一歩です、そのうえで靴があっているか確認したり、ご自身で毎日足の観察を行うように指導を行います。足に傷がある場合には抗生剤での治療を行ったり、外科的治療を行う場合もあります。

 

心血管疾患

糖尿病では心臓や血管の動脈硬化の進行が速くなります。特に以下のような他の動脈硬化を促進する因子をお持ちの場合には注意が必要です

 

・高血圧

・脂質異常症

・肥満

・喫煙

 

主な心血管疾患

脳血管

脳や首の血管の動脈硬化が進行し、脳梗塞や脳卒中を起こしやすくなりますので定期的に頸動脈の超音波検査などで進行を確認する必要があると考えられます。

 

心臓の血管

胸痛などの症状が大事ですが、糖尿病の患者様では症状が出にくい場合もあり注意が必要です。必要に応じて運動負荷心電図の検査を行ったり、心臓のCTを撮影して狭心症の有無を確認します。

 

末梢の血管(足の血管)

ABIの検査で大まかな足の血管の狭窄の有無をチェックすることができます。

 

心血管疾患の治療

それぞれのご病気に応じて食事・運動の治療に加えてお薬での治療やカテーテルでの治療を行います。糖尿病の治療を厳格に行うことはもちろん他の動脈硬化を進める因子の治療を行います。

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