ゾレア注射のご紹介|いでハートクリニック【大阪府吹田市の循環器内科、内科】

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医療コラム

ゾレア注射のご紹介|いでハートクリニック【大阪府吹田市の循環器内科、内科】

ゾレア注射のご紹介

重症の花粉症の治療薬として「ゾレア」という新しい注射のお薬が登場し、当院でも今年(2025)から採用を行っております。

 

花粉症の原因

花粉は本来は無害ですが、体が有害であると誤認し、除去しようとしてIgE抗体を作成してしまいます。それによって花粉吸引時に体の防御機構が作動し、肥満細胞に作用してヒスタミンなどの物質を放出し、症状が出現します。

 

花粉症の症状

くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみや涙などが代表的な症状です。鼻づまりを放置すると細菌性副鼻腔炎などの感染症を引き起こす場合もあります。

 

従来の花粉症の治療

治療の主役は「抗ヒスタミン薬」というお薬です。これに点鼻のお薬や点眼薬を併用して治療を行うのが一般的です。しかし、これらの治療で改善をしない患者様が一定数いらっしゃいます。そうした場合にステロイドの飲み薬などの治療もありますが、全身性の副作用もあり、アレルギー性鼻炎でそこまで治療を強化する弊害もあります。

ゾレアという新しいお薬が新しく登場したことにより、新しい治療の選択肢が生まれました。

 

ゾレアの特徴

ゾレアは生物学的製剤と呼ばれ、生物から産生されるたんぱく質などの物質を応用して作られた医薬品です。

ゾレアは花粉症の発生において重要な働きをしている”IgE抗体にて作用します。それによって肥満細胞に対する作用を抑制し、アレルギー症状の発現を抑制するお薬です。従来の薬に比べて構造が複雑で、口から飲むと体内に吸収しにくい性質がありますので注射で投与する必要があります。

 

ゾレアの副作用

もっとも多い副作用は注射部位の赤みや腫れです。

どのお薬でも同様ですが、アナフィラキシーなど重篤なアレルギー症状を起こす場合もあります。注射後はしばらく院内に待機し、副作用の出現がないことを確認します。

 

ゾレアの適応

おおまかには下記の条件がすべてそろっていることが必要となります。

(1) 抗ヒスタミン薬・抗ロイコトリエン薬を1週間以上使っても効果不十分な花粉症

(2) アレルギー検査の結果、スギ花粉の抗体がクラス3以上

(3) 年齢が12歳以上でアレルギー検査の結果、IgEの値が30~1,500IU/mL

 

ゾレアの用法・用量

  • 対象:成人及び12歳以上の小児

  • 投与量

75mg150mg2種類の規格があり、体重や総IgE値をもとに投与量が計算されます。その計算値をもとに2週間もしくは4週間おきに1-4本の注射を皮下注射します。

 

ゾレアの投与スケジュール

初診時

  • 問診にて花粉症の病歴を伺います。
  • 採血を行ってスギIgE値や総IgE値の抗体検査を行います。
  • 結果が出るまでに1週間程度時間を要しますし、ゾレアの条件にも既存の治療で1週間以上の治療という条件がありますので1週間は従来のお薬での治療を行います。

 

再診時

  • 従来の治療での治療効果についての判定を行います。
  • ゾレアの適応の有無についてご説明を行います。適応がある場合には治療のメリット・デメリットについての説明を行います。
  • ゾレア投与のスケジュールを決めて次回以降投与目的に来院して頂きます。
  • 2月~5月をめどに2週間もしくは4週間ごとに皮下注射で治療を行います。
  • 基本的には従来の抗ヒスタミン薬などのお薬も併用して治療を行います。

 

ゾレア治療の費用

費用は薬剤量や負担割合により規定されます。投与量が多く必要になるとその分費用も高くなります。概算ではありますが薬剤費のみで1ヵ月あたり3割負担で約4500円〜7万円の間です。これに加えて、受診・検査にかかる費用、同時に服用し続ける必要のある抗ヒスタミン薬の処方費がかかります。投与開始時に必ず金額の説明も行います。金額も踏まえてご判断して頂ければと思います。

 

小児は12歳以上が適応の条件にはなりますが、こども医療費のシステムがある場合にはご利用いただくことが可能です。

また高額療養費や医療費控除などのシステムを利用して頂くことも可能です。

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