加熱式たばこは安全か?
- 2025年7月21日
- 生活習慣病
加熱式たばことは?
循環器診療に携わっていると患者様からたばこの事について質問を頂くことがあります。基本的にどのような患者様でも禁煙をおすすめしているのですが、「でも、加熱式たばこに替えたから大丈夫でしょ?」「加熱式たばこにも害はあるの?」と質問されることがよくあります。
加熱式たばこについては、まだまだ分かっていないことも多いですが、現時点で分かっていることについて解説していこうと思います。
加熱式たばことは、たばこの葉を燃やすのではなく、加熱することでニコチンを含むエアロゾルを発生させるたばこのことです。日本では、IQOS(アイコス)、glo(グロー)、Ploom TECH(プルームテック)などが市販されています。
加熱式たばこユーザーの使用理由
加熱式たばこの使用状況を調査した研究によると、「においが少ない」、「周囲への害が少ない」、「煙が少ない」「害が少ない」「紙巻きタバコをやめるため」などの理由が主であると報告されています。
加熱式たばこは本人や周囲への害が少ないのか?
現時点ではわかっていないというのが正確な表現だと思います。
害が少ないかもしれないポイント
・有害物質の減少?
紙巻きたばこと比べるとニコチン以外の主要な有害物質が減らせる可能性がある
・ニコチン依存性の低減?
ニコチンの吸収は紙巻きたばこの7割程度と報告されており、依存の程度は紙巻きたばこよりも低減できる可能性があると言われています。
害が変わらないかもしれないポイント
・病気のリスクを低減するエビデンスはない
一部の有害物質は紙巻きたばこよりも減少しますが、紙巻きたばこにはない有害物質も含まれており、病気のリスクの減少につながるかはまだわかっていないとされています
受動喫煙に関しても同じことがいえると思います。
・ニコチン依存症
ニコチンの吸収動態は紙巻きたばこと類似しており、ニコチン依存症は継続されるためニコチン依存症の根本的解決にはなりません。
まとめ
加熱式たばこは紙巻きたばこよりリスクが低くなる可能性はありますが現時点では病気のリスクを低減できる保証はありませんし、禁煙に勝るものはありません。最終的には禁煙につなげることが大事であるというのは以前と変わらないと考えています。
当院では禁煙外来を行っております。気軽にご相談ください。