動悸の原因と治療
動悸ってどんな症状?
動悸とは、脈拍が乱れる、鼓動が強く感じる、脈拍が速いなどで不快に感じることです。
胸がつまるような感覚がすると訴えることもあります。
注意すべき動悸の原因
動悸をきたす病気は様々ですが、最も注意が必要になるのは心臓のご病気です。不整脈によって動悸をきたしている可能性もあり、不整脈の種類によっては命にかかわったり、重大な後遺症につながる可能性があります。まずは不整脈が原因にないかどうかを調べることが重要です。また狭心症や心不全などの重篤な病気の症状である場合もあります。
動悸が診察時にも持続しているときには心電図検査を行えば、動悸の最中の心電図波形を確認できますので動悸が不整脈に伴うものかどうか判断することができます。例えば動悸はあるのに、心電図の波形の変化がない場合には心臓が原因である可能性は低くなり、心臓以外の原因を考えます。
動悸を感じたらまずはセルフチェック
動悸を感じた場合にはご自身で脈の状態の観察(検脈)を行っていただき、受診時に教えて頂けると診断の助けになる場合もあります。
検脈の方法
利き手の人差し指・中指・薬指の3本で反対側の手首の脈を触れる部位にあてます。
検脈のポイント
・脈が規則正しいか不規則か
・脈が飛んでいるかどうか
・脈が速い状態が「突然始まって突然終わる」かもしくは「ゆっくりと速くなってゆっくりと元に戻っていく」のか
検脈が難しい場合
突然始まる動悸で自己での検脈は難しいと思います。あくまでも可能であればですので、検脈が困難であれば受診してご相談いただければ大丈夫です。
動悸で受診を考えるポイント
動悸の持続時間
動悸の持続時間が長くなってきている場合には病状が悪化している場合があり早めの受診をおすすめしています。不整脈の種類によっては長時間放置することで血圧の低下を招いて重篤な状態になる場合もありますし、放置が原因で脳梗塞に発展する場合もあります。
動悸の頻度
動悸の頻度が多くなっている場合にも病状が悪化している可能性があり、早めの受診をおすすめしています。
安静時の頻脈
安静時でも脈拍が100を超えている場合には不整脈の可能性を考慮します。受診していただき、不整脈かどうかの検査をすることをおすすめしています。
動悸に合併している症状
動悸の他の症状も受診をおすすめするポイントの一つです。息苦しさや胸の痛み、むくみなどがある場合には心臓が関与している可能性が高くなり、早めの受診をおすすめしています。
動悸の原因を特定するのは難しい
一方で自宅で動悸があっても受診時には症状はおさまっているということのほうが多いのが実際です。その場合心電図を撮影して波形が正常であっても、動悸の最中の心電図波形がわかりませんので動悸が不整脈からきていないと判断するのは困難です。
そういう場合にはホルター心電図という24時間装着型の心電図検査を行います。そうすることで自宅での波形を確認することができ、装着中に動悸の症状があればその時点の波形を確認することができます。
動悸の治療には原因の特定が重要
当院ではこの検査を積極的に行って動悸の原因を特定するように努めることが極めて重要であると考えています。不整脈の種類やそもそも心臓由来の動悸かどうかによって治療は大きく異なります。原因を特定できてはじめて最適な治療を行うことができます。
不整脈が原因と分かればその不整脈に合わせた治療を行います。治療の必要性が少ないもの、お薬で治療できるもの、アブレーション治療などのカテーテル治療が必要なもの、ペースメーカーが必要なものまで不整脈によって対応は様々です。だからこそ原因の特定が重要なのです。
心臓以外に原因がある場合には検査を進めてその特定を行います。例えば貧血が原因になっていることもありますし、甲状腺などホルモンのご病気が原因になっていることもあり、血液検査が重要な検査の一つです。大きな病気の可能性が低いと分かれば、その先はなにかの検査が陽性だからこの原因だと断定するのは困難であり、症状などから原因を考えていきます。ストレスが原因になっている場合もありますし、自律神経失調症や更年期障害が原因になっている場合もあります。
当院では検査の即日解析が可能
ホルター心電図の結果の解析には1週間から2週間程度要する場合も少なくありませんがその期間ご不安な患者様もいらっしゃるかと思います。当院では状況に応じて検査終了日即日の検査結果解析を行い、速やかに患者様に結果をお伝えさせていただく場合もあります。一方で不整脈は出るけど毎日は出ないという患者様もいらっしゃいます。その場合には5日間装着型の心電図や10日間装着型の心電図をご案内させていただく場合もあります。その場合は即日の結果説明はできませんが、より症状時の心電図波形をつかまえやすくなります。検査にも費用がかかります。無駄な検査にならないように患者様の状況に応じてご案内する検査を使い分けています。
通常の心電図検査ももちろん重要
補足ですが、ホルター心電図を行うから通常の心電図が不要というわけではありません。危険性の高い不整脈が起こっている場合には症状のない時の心電図にサインがあらわれることがあります。そういう危険なサインを確認する目的で通常の心電図検査はやはり重要です。
生活習慣と動悸
生活習慣が動悸の原因となる場合もあります。生活習慣に目を向けて改善点を探していくことも大事です。
たばこ
煙草に含まれるニコチンにも自律神経への作用があり、動悸の原因となる場合があります。禁煙も動悸の予防や改善の為にはしばしば有効です。
カフェイン
カフェインの取り過ぎは交感神経と言われる神経を刺激し、過剰に摂取すると動悸の原因となります。
アルコール
アルコールにも自律神経を刺激する作用があり、過剰に摂取すると動悸の原因となる場合があります
運動
運動不足などがあると正常でも運動した後に動悸が起こる場合があります。運動後の動悸は病的なものと正常なものと見分けるのが困難な場合があります。普段から運動習慣をつけていただくことが大事です。
睡眠不足
睡眠不足は体に強いストレスがかかり、動悸の原因となる場合があります。規則正しい生活を心がけ、睡眠時間を確保するようにしましょう。
最後に
動悸は原因をしっかりと検査をして心臓由来のものかそうでないかを特定することが大事です。喫煙や過度の飲酒などの生活習慣が原因になっている場合もありますのでよく患者様とお話をして生活習慣を見直すことも重要です。
当院は土曜日・日曜日でも診療を行っております。
動悸を感じられた患者様は気軽にご相談ください。
お問い合わせは「受診のお問い合わせ」から