多項目PCR検査「スポットファイヤー」
- 2025年10月22日
- 検査
咳・発熱の原因をすばやく特定 多項目PCR検査「SPOT FIRE (スポットファイヤー)」を導入しました
発熱や咳、のどの痛みなど、呼吸器症状を引き起こす病原体は多岐にわたります。
こうした症状が現れた際、原因となるウイルスや細菌を迅速かつ正確に特定することは、適切な治療方針の決定において有用です。
当院では15種類の病原体を同時に検出できるPCR検査機器「Spootfire (スポットファイヤー)」を2025年9月より導入しました。
具体的な検査の流れや、この検査の対象となる病原体について、詳しくご紹介いたします。
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検査の流れ
- 問診を行い、必要に応じてスポットファイヤーによる検査をご提案させていただきます。
- 鼻の奥を綿棒でぬぐい、検体を採取します。
- 採取した検体を検査機器で分析し、約20分後に結果が出ます。
結果が出るまでしばらくお待ちいただきます。
- 検査結果は医師よりご説明し、必要に応じて処方や治療方針を決定します。
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検査費用について
・保険適応(3割負担)の場合:約4,500円
※別途、診察料・処方箋料などがかかります。
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検査で分かる病原体一覧
◆ 細菌(4種類)
- 百日咳菌
・「百日咳」の原因菌。ヒューという独特な咳が特徴。子どもに多いが、大人にも感染することがあります。 - パラ百日咳菌
・百日咳に似た症状を引き起こしますが、通常は軽症。ただし、乳児では重症化することもあります。 - クラミジア・ニューモニエ(肺炎クラミジア)
・ゆっくりと症状が進むタイプの肺炎を引き起こします。咳が長引くことが多く、数週間〜数か月続くこともあります。 - マイコプラズマ・ニューモニエ
・子どもや若年層に多い「マイコプラズマ肺炎」の原因菌。咳や発熱、喉の痛みなどを引き起こします。
◆ ウイルス(11種類)
- アデノウイルス
・発熱、喉の痛み、結膜炎、胃腸炎など、さまざまな症状を引き起こす。年齢を問わず一年中感染します。 - 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
・風邪やインフルエンザに似た症状を起こし、高齢者や基礎疾患がある方では重症化のリスクが高くなります。 - 季節性コロナウイルス
・いわゆる「普通の風邪」の原因のひとつ。軽症で済むことが多いが、乳幼児や高齢者では注意が必要です。 - ヒトメタニューモウイルス(hMPV)
・風邪のような症状を起こしますが、子どもや免疫力の低い方では重症化することがあります。冬に流行しやすい。 - ヒトライノウイルス/エンテロウイルス
・最も一般的な風邪の原因。通常は軽症ですが、喘息持ちや免疫力の低下している人では重症化することがあります。 - インフルエンザウイルスA型
・感染力が非常に強く、大流行(パンデミック)の原因となるタイプ。
– H1-2009:若年層で重症化
– H3(A/H3N2):高齢者が重症化しやすい - インフルエンザウイルスB型
・A型に比べると流行の規模は小さいが、症状はほぼ同じ。春先に流行しやすい傾向があります。 - パラインフルエンザウイルス
・「インフルエンザ」という名前がついていますが、まったく別のウイルスです。強い咳や鼻水が主な症状です。 - RSウイルス
・乳幼児で特に注意が必要なウイルス。風邪のような症状から始まり、細気管支炎や肺炎に進行することがあります。
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受診をお考えの方へ
咳が長引くなどで検査をして百日咳が発覚した患者様もいらっしゃいますし、症状が長引いている時にも有効な検査だと考えています。
早期診断は適切な治療への第一歩です。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。