心臓ドックで診断できる主な疾患
- 2024年5月31日
- 健康診断・人間ドック
心臓ドックでは、さまざまな心臓関連の疾患を早期に発見することができます。以下に、代表的な心疾患である心筋梗塞、狭心症、不整脈について詳述します。
心筋梗塞(Myocardial Infarction)
概要
心筋梗塞は、心臓を養う冠動脈が詰まることで心筋(心臓の筋肉)が酸素不足に陥り、組織が壊死する疾患です。突然の強い胸痛、息切れ、冷や汗などの症状を伴います。
診断方法
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心電図(ECG):心筋梗塞に特有の変化(ST上昇や異常Q波など)を検出します。
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血液検査:心筋細胞が壊れると放出されるトロポニンやCK-MBなどの酵素を測定します。
- 心エコー検査:心筋の動きの異常や心臓のポンプ機能の低下を確認します。
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冠動脈CTスキャン:冠動脈の狭窄の有無を画像で確認します。
狭心症(Angina Pectoris)
概要
狭心症は、冠動脈が狭くなり心筋に十分な酸素が供給されない状態で、胸の痛みや圧迫感を感じます。症状は運動やストレス時に悪化し、休息で軽減されることが多いです。
診断方法
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心電図(ECG):安静時には正常でも、運動負荷心電図で異常が現れることがあります。
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心エコー検査:心臓の動きを観察し、運動時の血流の変化を評価します。
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負荷心電図(ストレステスト):運動や薬剤で心臓に負荷をかけた際の心電図変化を確認します。
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冠動脈CTスキャン:冠動脈の狭窄の有無を画像で確認します。
不整脈(Arrhythmia)
概要
不整脈は、心臓の拍動が正常でない状態を指します。頻脈(脈が速い)、徐脈(脈が遅い)、心房細動、心室細動など、さまざまなタイプがあります。不整脈は、めまいや動悸、失神などの症状を引き起こすことがあります。
診断方法
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心電図(ECG):不整脈のタイプを特定するために、安静時や24時間ホルター心電図を使用します。
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心エコー検査:不整脈の原因となる心臓の構造異常や機能異常を確認します。
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ホルター心電図:24時間の連続心電図記録で、不整脈の発生タイミングや頻度を把握します。
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運動負荷心電図:運動中に発生する不整脈を確認するために使用されます。
その他の心疾患
心不全(Heart Failure)
心臓が血液を十分に送り出せなくなる状態で、息切れ、むくみ、疲労などの症状があります。心エコー検査やBNP血液検査で診断されます。
弁膜症(Valvular Heart Disease)
心臓の弁に異常がある状態で、心エコー検査で弁の動きや逆流の有無を確認します。
高血圧性心疾患(Hypertensive Heart Disease)
長期間の高血圧により心臓に負担がかかる状態で、心エコー検査で心肥大の有無を評価します。
まとめ
心臓ドックでは、心筋梗塞、狭心症、不整脈を含む多くの心疾患を早期に発見し、適切な治療や予防策を講じることができます。これにより、心疾患による突然の発作や進行を防ぐことができ、長期的な健康維持に大いに役立ちます。定期的な心臓ドックの受診は、心臓の健康を守るための重要なステップです。