注意が必要な胸痛について
- 2023年11月18日
- 症状・病気
季節の変わり目(急に寒くなったとき、急に温かくなったとき)には狭心症や心筋梗塞が多く発症すると言われています。今回は注意する胸痛のサインについてお話させていただきます。
胸痛の性質
「胸に圧迫感を感じる」「胸がしめ付けられる」「胸が重苦しい」などの性質の胸痛は狭心症や心筋梗塞の特徴的な胸痛の訴えであり、危険なサインです。逆に針で刺したようなチクチクした痛みではありません。また指で「胸のここが痛い」と場所が指せる場合には、狭心症や心筋梗塞の可能性は一段階低いと考えてもいいかもしれません。
胸痛の場所
狭心症や心筋梗塞などの心臓関連の胸痛の場合には左胸に症状を訴えられるのが典型的ですが、みぞおち、左肩(時には右肩)、首、あごなどの部位にも痛みを感じる場合もあります。上半身に不快感を感じたら、放置せずに病院に行きましょう。
また、胸だけではなく背中が痛い場合には大動脈解離という極めて重症度の高い病気の可能性もあります。大動脈解離は場合によっては命にかかわる病気です。胸痛と背中の痛み(背部痛)を伴う場合には早急に受診し診断を行う必要があります。
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胸痛のきっかけや持続時間
階段を上がったとき、坂道を登った時に生じる場合には労作性狭心症を疑います。またそういった動いているときに生じていた症状が徐々に軽く動いただけでも症状が出現するような場合には労作性狭心症が悪化している可能性があり、早急の受診が必要です。胸痛が持続している場合には心筋梗塞かもしれません。その場合にはより緊急性が高いです。
夜間や安静時に出やすいタイプの狭心症もあります。冠攣縮性狭心症(かんれんしゅくせいきょうしんしょう)といいます。胸痛は数秒から数分程度持続し、歩行などの労作で悪化しないのが特徴です。
患者様の背景
コレステロールが高い、高血圧、肥満、喫煙、ストレスなどは狭心症や心筋梗塞の危険因子であり、これらを持っている場合には一段階狭心症や心筋梗塞の可能性が高まります。またご家族に心臓のご病気をされている方がいらっしゃる(家族歴)場合にも狭心症や心筋梗塞の可能性が高まります。これらのご病気や生活習慣、家族歴などをお持ちの患者様が胸痛の症状が出ている場合には受診をお勧めします。
胸痛の症状がある場合には、心電図や心臓超音波検査、血液検査を行って心臓由来の胸痛かどうかの検査を行います。また、同時に胸部レントゲンで肺のご病気の有無を確認することも重要です。狭心症の場合には当日の検査だけでは診断が困難な場合もあります。その場合には近い日程で、運動負荷心電図や冠動脈CTなどのより詳細な検査をさせていただく場合もあります。心筋梗塞に関しては速やかな診断が可能です。心筋梗塞と診断がついた場合には救急車で治療可能な病院へ搬送させていただきます。
予防方法
狭心症や心筋梗塞にならないためにも普段の予防が重要です。
禁煙はきわめて重要です。高血圧やコレステロール値を指摘されている場合にはしっかりと治療する必要があります。肥満や運動不足にも注意が必要ですので食べ過ぎに注意して適度な運動を心がけましょう。
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