糖尿病の食事~食事療法の大切さについて~
- 2025年9月18日
- 生活習慣病
吹田市でも増えている生活習慣病
吹田市の健診データでは、血糖値が高めの人や糖尿病の一歩手前の人の割合が、全国より多いことが分かっています。
外食やコンビニの利用、運動不足、そして高齢化などがその背景にあります。
「まだ大丈夫」と思っていても、気づかないうちに数値が少しずつ悪化し、後から合併症で大変になる方も少なくありません。
【引用:吹田市国民健康保険第3期データヘルス計画及び第4期特定健康診査等実施計画】
糖尿病と食事療法の大切さ
糖尿病治療の3本柱は「食事療法・運動療法・薬物療法」です。
中でも食事療法は日常生活そのものに直結するため、とても重要でありながら継続が難しいと感じる方が多くいらっしゃいます。
「分かってはいるけど、つい食べすぎてしまう」
「外食やコンビニ食が多くて、どう調整すればいいか分からない」
このようなお悩みは、糖尿病を持つ方に共通するものです。
当院では、医師による診療だけでなく、管理栄養士による糖尿病食事指導を行っています。患者様の生活スタイルに合わせた具体的なアドバイスで、「続けられる糖尿病治療」をサポートします。
管理栄養士による食事指導の役割
糖尿病の食事指導は「食べてはいけないもの」を制限するのではなく、「どう食べれば血糖値を安定させられるか」を一緒に考えることが目的です。
管理栄養士が関わることで、以下のようなメリットがあります。
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●適切なカロリーや栄養バランスを具体的にお伝えできる
●外食・コンビニ利用が多い方でも現実的な工夫を提案できる
●家族の食事と一緒に無理なく続けられる方法を相談できる
●体重・血糖値の変化に合わせて定期的に調整できる
「我慢」ではなく「工夫」で続けられるようにするのが、管理栄養士による食事指導の大きな特徴です。
食事指導の具体的な内容
1.栄養バランスのとり方
糖尿病の食事は、炭水化物・たんぱく質・脂質のバランスが大切です。極端に糖質を減らすのではなく、主食・主菜・副菜を揃えて、血糖値が急激に上がらないように調整します。
2.食物繊維と塩分の工夫
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●野菜・海藻・きのこをしっかり取り入れて血糖上昇をゆるやかに
●減塩の工夫(出汁や香辛料を活用)で高血圧や腎臓病も予防
3.外食・コンビニでの工夫
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●丼ものより定食を選び、ご飯は少なめに
●揚げ物より焼き魚や煮物を
●サラダやスープをプラスして食物繊維を補う
4.間食や甘いものとの付き合い方
完全に禁止するのではなく、果物や無糖ヨーグルト、ナッツなどを上手に取り入れる工夫も指導します。
吹田市で実践できる身近な工夫
地域でも、このような取り組みを行っています。
吹田市健康診査
職場などで健診を受ける機会のない方を対象とした健診が実施されています。
受診者には、国立循環器病研究センターが開発した三大生活習慣病を予防するための10項目を用いた生活習慣病アドバイスを配布しており、予防につなげる取り組みを行っています。
市民健康教室や健康相談の実施
市の公共施設や近隣の民間施設で、地域のみなさんへ向けた糖尿病やその他疾病についての健康教室が定期的に実施されています。
また、生活習慣病予防など健康上のお悩みを、市の保健師や管理栄養士にも相談することができます。
運動教室の実施
地域のコミュニティーセンターや公園などで、ウォーキングや体操などの運動推進事業も実施されています。
運動は、食事療法と組み合わせることで効果が高まります。1人だとなかなか続けることができない方も、同じ状況の方と一緒に行うことで続けやすくなります。
当院での取り組み
いでハートクリニックでは、医師の診療に加えて、管理栄養士による栄養相談を行っています。
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●個別カウンセリングでお一人おひとりの生活習慣に合わせた食事プランを提案
●定期的な振り返りで改善点を確認(頻度もご希望に合わせて相談いただけます)
●ご家族へのアドバイスも可能
糖尿病は「食べてはいけない病気」ではありません。
正しい知識を持ち、食べ方を工夫することで、長く健康を維持することができます。
当院では、医師や管理栄養士など専門知識を持ったスタッフが連携し、地域の皆さまが無理なく続けられる生活をサポートいたします。お気軽にご相談ください。