息切れの診療
息切れってどんな症状?
息切れとは呼吸が自然にできず、息を吸ったり吐いたりするのに努力を要する・もしくは不快であるという状態です。
具体的には
- ・息苦しい
- ・呼吸が浅くなる
- ・空気が薄く感じる
- ・胸が圧迫される
- ・呼吸がつらい
- ・呼吸が早くなる
などの症状を訴えられる場合が多いです。
息切れの原因は?
息切れは年齢や体力の衰えのせいだと考えている方もいらっしゃいますが、実は病気のサインだったということもあり、注意が必要な症状です。
息切れの原因として最も注意が必要なのは心臓のご病気です。心不全や弁膜症のサインの可能性があります。
心臓由来の息切れのメカニズム
心臓は体の隅々に血液に乗せて酸素を届ける役割を担っています。
労作時や運動時には組織の酸素の必要量が増加し、心臓は仕事量の増加が求められます。
その際に心臓が仕事量の増加に対応できず、組織に必要な酸素量を届けられなくなると、息切れなどの症状が出現するようになり、それ以上の運動の継続が困難になります。
そういった状態が心不全の症状の一つです。
大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁閉鎖不全症などの弁膜症に関しましても進行すると心不全症状として労作時の息切れが出現する可能性があります。
息切れに心臓が関与しているか調べる方法は?
労作時の息切れが出現している場合には心臓のチェックが必須です。
検査としては血液検査・心電図検査・心臓超音波検査等を行います。
▶︎血液検査
血液検査ではBNPやNT-ProBNPなどの心不全のマーカーの検査を行います。
▶︎心電図検査
心電図検査では不整脈の関与(不整脈があると心臓の機能の低下につながる場合があります)などを確認します。
▶︎心臓超音波検査
心臓超音波検査は心臓の機能や弁膜症の有無を検査することができます。
多くの検査は安静時の心臓のパフォーマンスを検索するものであり、労作時の息切れの評価としては必ずしも十分といえない場合もあります。
息切れに心肺機能の関与がないか完全に否定するためには心肺運動負荷試験(CPX)を行います。
心臓以外の息切れの原因
心臓のご病気が否定できたら、次は肺のご病気を否定する必要があります。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)や進行肺がんの症状の可能性があり、呼吸機能検査、肺のレントゲンやCTを撮影して肺のご病気の有無を確認します。
貧血などがあると心臓や肺の機能が正常でも息切れにつながる可能性があり、血液検査で同時に貧血がないことの確認をするのも重要です。
一方で下肢の筋力低下、体重増加によって相対的に下肢筋肉の負担が増加している場合にも息切れにつながる可能性があります。
運動で筋力の維持を行い、体重減少を図るのも重要な息切れに対する治療の一つであり、どの原因の息切れの場合にも有用です。
心臓疾患が原因の場合には医療保険で運動療法ができる場合があります。お気軽にご相談ください。
当院は土曜日・日曜日でも診療を行っております。
息切れを感じられた患者様は気軽にご相談ください。
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